宇宙規模で発生する電磁気現象であり、極地の夜空を彩る美しく壮大なオーロラの発生。
それを、電子科学技術の世界に置き換え、地球をとりまく
宇宙の森羅万象の凝縮として伝えるスペースメディア。
オーロラにはさまざまな神話があり、大自然がつくり出す壮大な光の現象に、
人々は大いなる神秘性と畏敬の念を抱いていた。
そんな神秘的な現象も現代科学により、太陽と地球の関係で起こる
電磁気現象により発生するものとして解明された。

太陽風の荷電粒子と地球電離層の相互作用によってできるオーロラの発生。
太陽面から放出される電子や陽子が地球の磁場にとらえられて、南北両磁極に集中し、
上層の大気分子や原子と衝突して特有の光を放出して発生するオーロラの原理と現象。
オーロラをつくる地球磁気圏のしくみがテレビ受像機の機構に似ていることから、
地球エレクトロニクスと仮説し、現在の電子科学技術を支えている
エレクトロンを地球規模の視点に立って展開する。
そのオリエンテーションとして、テレビのブラウン管の画像を結ぶ原理と
地球電離層にオーロラを結ぶ原理を造形として展示する。

空間に構成されたアートメディアは、
我々が地球上で感じている風や陽の光といった現象を超え、
宇宙のスペクタクルをひとつの自然として体感させる。
人間の深層部分や存在意識に訴え、
宇宙からのメッセージが送られてきたその瞬間を生み出す装置である。
オーロラの発生する原理を表現したときの、電子ラインの生み出す美しいライン。
このような、現在の多様な電子科学技術を支えているエレクトロンのふるまいは
美しいものとしてテーマを展開する。
科学の枠でその原理を追求していくと、その表現は自然と美しいものになっていく。

エレクトロホールの空間構成あたっては、素材の環境化という姿勢のもと、
使用済みになった建築現場の渡り板を壁面と床の構成材として再生させ、
また、仕上げや加工を加えていない黒皮付き鉄板などの原素材を床材として使用し、
それらを補助材や下地材の表現マテリアルとして活用する。
今日の環境倫理を踏まえた仕上げ素材の使い方である。
このように、構成素材についても環境問題を意識した地球的な観点からのデザインが
身体感覚に、空間全体の印象にかかわってくる。




事業・運営主体  日本科学技術振興財団 プロデュース 田中俊行
所在地  東京都千代田区 AD・デザイン 空環計画研究所
展示面積 302F 科学監修 南 繁行
完成年月 1997年4月 造形アート 伊藤隆道・田中敬一・西嶋良造
映像制作 空環計画研究所・日本シネセル
設計協力・展示施工 乃村工藝社
クライアント 日本科学技術振興財団




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