自動車が急速に普及した1920〜30年代、そのテクノロジーとメカニズムに、
エンジニアリング・アートの感性が深化した。
なかでもアール・ヌーボー時代、既に宝飾作家として大家であったラリックは
1902年からガラス工芸の新しい表現を追求し、アール・デコスタイルを展開した。
そのモチーフはスピード感のあるものが多く用いられ、
透通るような透明感と鋭いメカニックな線はまさしく新しい時代の到来を告げている。
その特化されたかたちとして、
当時、ガラス工芸に優れた才能を発揮していたルネ・ラリックが、
いち早くガラスのカーマスコットの造形を手がけた。
「ルネ・ラリック カーマスコットギャラリー」は
そうした時代の潮流を実証するメディアである。
ラリックの作品には、アール・ヌーボとアール・デコの対比をみることができる。
その一方でそれぞれの様式を折衷したようなスタイルは、作家性の混迷を物語るとともに、
時代様式に関わらない、ラリック独自のマインド宇宙の世界を作り出している。
人物や物を厚肉レリーフで表現した壷や彫刻的な作品は、使用するための器具としてではなく、
装飾用の作品として、美的なオブジェとしてデザインされる。
また物・昆虫をモチーフとした作品は、優れた均衡と線の美しさ、曲線の豊かさをもち、
官能的で幻想的であり、神秘的でさえある。
ラリックの世界をつくり出すギャラリー空間、
その中央部にある1930年代のスタイリッシュスポーツカーを模ったクルマの造形カプセルをはじめ、
ハーフミラーとミュージアムグラスを複合させた展示ケースの中に、
ラリックのカーマスコットがファイバー照明により
個々の造形を際立たせながら展示され、
ミラーとガラスに反射・反映し、増幅され、無限に浮遊された空間を象徴し、
その空間こそがラリックの宇宙であり、
マインド宇宙の世界へと遭遇する
宇宙船をも感じさせるスペースをつくり出している。
| 事業・運営主体 |
トヨタ博物館 |
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プロデュース |
田中俊行 |
| 所在地 |
愛知県長久手町 |
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展示設計 |
空環計画研究所 |
| 展示面積 |
145F |
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造形アート |
丸山智巳 |
| 完成年月 |
1999年4月 |
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展示施工 |
乃村工藝社 |
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クライアント |
トヨタ自動車株式会社 |