欧米に生まれ育てられた、エンジン工学とスタイリング美学が結晶した多様な車を展望し、
次にそれに学び造ることで、日本のモータリゼーションを進展させた技術と車を概観する
本館展示が辿る「文明史」のシナリオを受けて───、
トヨタ博物館・新館は、日本がどのように車文明を受容し、その後の近代化と都市化にとともに
どのように生活意識を変容させていったのか、という「文化史」として捉えた、
人と生活文化と車のかかわりを主題とする。
都会から起こった日本的なモータリゼーションの基本的なストーリーを軸に、
生活文化の近代化とその変遷の中で、何が車からおこっていたか、何が車を支えてきたか、
車の占めた役割を示しながら───、
走っていた車と都会史、車がリードした生活意識や生活感覚の文化史、使われた車と生活史といった
「生活と車が溶け合って進化した二つの文化」を
メイドインジャパンの時代が憧れ、つくってきたプロセスとともに展開する。
自動車──それは、人間の行動と渾然一体を成すMan Machineであることを基本に、
近代化の軌跡となって全ての時代的変遷を貫く「もの」は車であると捉え、
さらにそれぞれの時代の生活文化特性を示す物件「もの」とともに、
人と車の「文化展示」を実現させる。
そうした「生活文化」のストーリーを、くらしの「再現展示」としてではなく、
車を含む自分史の記憶としての「もの」、生活や時代の実証としての「もの」、
社会の事項をとどめた「もの」、それらの関連性や意味性を構造的に集積する構成、
いわば車文化の記憶や生活文化の痕跡を形に表している「もの」と「もの」と「もの」との
インスタレーション(空間構成)で示す。
それによって、近代化していく生活意識や生活感覚を車文化のつらなりとともに
体感させる人と車の「文化展示」として明らかにする。
さらに、こうした生活と車の二つの「文化展示」の意図を直截に空間構成するにあたって
「車」プロムナードと「生活」ギャラリーとして明確に区分し、
「生活と車が溶け合って進化する二つの文化」の体系について、
「国産」から「マイカー」そして「多様化」へと夢を実現していった実車とともに、